VOL.4コラムを担当させていただきます、埼玉県・伸和紙工㈱代表取締役の倉田です。
工場見学会父より代表職を引き継ぎ、約2年の月日が過ぎまして、まだまだ経験を積まなければならない点が多々ございます。
多忙な日常を過ごしている折もおり、襖のパーツとして一番メインとなる襖紙を製造されている㈱菊池襖紙工場さんへの工場見学が、全国襖工業会の第三回工場見学会として開催されるとの案内をいただき、今回参加をさせていただきました。
私の個人的なイメージですと、弊社の近場に細川紙をつくっている武州小川町がありまして、手すき和紙の揺り動かす工程が思い浮かび、今回目からウロコといいますか、たくさん驚かされることがあった工場見学会でした
一番に説明を受けて驚きましたのが16000m2余りの広い工場用地です。敷地内に配置された事務所棟、工場、原紙倉庫、製品倉庫等10あまりの棟が立ち並んでます。
工場には多くの機械、印刷機、たとえばフレキソ印刷機、グラビア、スクリーン、オフセットの各印刷機が効率よく配置されていて、なるほど月産100万枚の襖紙の印刷製造工程ラインとはこういうものかと感激いたしました。
襖紙という繊細かつたおやかな商品が、立ち並ぶ大型装置を100メートル以上に渡って製造ラインを進んでいく様にわたしは痛快かつ驚きの気持ちをもち拝見させていただきました。
また逆に襖紙という商品は見本帳1つとりましてもかなりバラエティがあります。だからこそ多種多様な機械が開発され、自社開発の機械が多いとのことでした、さらに効率よく組み合わせることによって繊細でたおやかな表現ができるのだと得心いたしました。
製造工程として、図案からはじまり、製版、印刷、エンボス、カット、吹き付け、梱包、出荷となるわけですが、特に梱包前の品質チェックを工場では重視していて、卓越した技術で確認工程をすすむ様にまた感激いたしました。
完成品として襖を作らせていただく私たちとしては襖紙のキズ、シミはあってはならないものになります。 そういった観点からいっても私たちにとって頼もしい技術だったと感じております。
襖を構成する部材の一つ一つに伝統と技術がそれぞれに伝えられ進化している、その技術のもとに私たち完成品を取り扱う者がいるのだと強く感じさせられた工場見学となりました。
私も業界人の一人として今回のこの思いを大切にしながら自身の努力を積み上げ、皆様のお役に立てるように頑張っていきたいと思っております。
更に、今後は積極的に会の活動にも参加させていただけたらと思っておりますので、工業会の会長、役員、幹事の皆様またメンバーの皆様、宜しくお願いいたします。
平成26年4月
伸和紙工(株)
代表取締役 倉田 真一